息子のADHDの特徴
注意欠陥優位だ。
・計画が立てられない。
・予定とか時間とかを把握するのが極端に苦手。
・PDCAサイクル(=問題→原因→対応策→実施→確認)の意味が分からないので当然、失敗をもとに次の行動を改善することができない。
・話した文脈に二つ以上の文が入ると正確に理解することができない。つまり相手の言う言事を正しく理解することができないようだ。これは偶然、ネットで視聴した「ADHDグレー」の人がいかに生き難いか伝える動画で初めて知ったことだ。
「ガーベージイン、ガーベージアウト」(ゴミ情報を入れたら、ゴミ情報しか出ない)の原則は知っていたが、まさか本人が理解する際にゴミ情報に変換されるのでは外部の人間にはやりようがない。本当に目から鱗な番組だった。
・漢字を書くことがかなり拙(つたな)い。
いまだに「短」という漢字の辺が逆になるのを見て、LD(=学習障害)を疑った。
極端な悪字だ。 きょねんまでは、Oや0、9などの数字の上が、uのように必ず開く現象が見られた。中学になってからはだいぶ是正されたようには見えるが。。。
文字のバランスも極端に悪い。
・算数の問題で、「=」を使うことができない。
・言葉で整理する際にNoを振ることができない。
・ちなみに先週は、ふと「境界知能」じゃないか?と不安になって、有名な「ケーキを三等分するのに線を入れる」という問題を出したが、普通にベンツエンブレムのようなスリースターで書いてきたので、本当にほっとした記憶がある。
7月末の三者面談でも担任には言われているが、成績的には問題児とまでは言っていないし、特別学級に入るような状況ではないことも聞いている。
もっとも、これも先週初めて聞いたが、小学三年生の担任に、昼休み中、出歩くからという理由で縄跳びの縄で席に縛り付けらたことがあったそうだ。5回以上10回未満の頻度ではあったらしいが、かなりショックを受けた。というか何で今頃それを言うのか!?と息子をかなり怒ってしまった。
当時の担任については最初から信用していなかったがそんなことをされていたかと思うと本当に腹が立つ。
ちなみにその担任は2年前に定年退職している。
・物事の優先順位がつけられない。
・片づけがほとんどできない。
春から、個室を与えたが完全にゴミ屋敷。
正確には、ゴミとゴミじゃないものの区別がつかないようだ。
・衣服についても無頓着で同じ服を下手すると4~5日着ている。
あるいは、後ろ前を逆に来ていることもざらにある。
外行の服と部屋着の区別がつかない。
・食欲が抑えきれないようで、すでに私と同じぐらいの体重になっているはず。
・人が喋っているのに、さえぎって話始める。
・説教しているのに途中で部屋を出て行ってしまう。
それ以外にもいろいろとあるはずだが書き切れない。
本当は、これをグレーというのだろうか?と思っている。
グレーって、微妙なんじゃないのか?
完全に明暗分かれてるんだけど。
真っ黒なんだけど、これでグレーなのか?
障碍者認定されなければ、グレーなのか?
すごい不思議だ。
・
穴ぼこは埋めれない!
注意欠陥な息子には色んな穴ぼこがある。
穴ぼこは埋められない。
それはネットとかの知識で理解したつもりではあったが、想像以上だった。
つまり「穴ぼこは埋まらない」から、「発達障害」なのだ。
普通の人は、「問題→原因→対策→実施」の順番で穴ぼこを埋めることができる。
ADHDの人は、単純にできない。
できないのだ。
もちろん、ADHDと言ってもそのレベルは弱⇔強のグラデーションだろうから、穴ぼこを埋められるようになる人もいるんだろう。
少なくとも息子にはほとんどのことが無理なことがわかった。
かなりの絶望を感じたが、今は穴ぼこ埋めはできない!ということを前提に話を進めないといけない。
つまり、「個性の長所を伸ばせるだけ伸ばして、短所はぼかす」しかない。
もちろん、言葉尻だけ取れば、最初にADHD関連の知識を仕入れた時からそんなことは考えていた。でも、私はわかっていなかった。穴ぼこは本当に埋められないんだ!ってことに。。。
例えば、靴の紐がちゃんと結べずにいつもかかとを踏んでしまう息子。
訓練すれば結べるようになるはずだ!と心の底では思っていたがちゃんと結ぶことはできないことがわかっている。
それは協調運動障害とかではなくて、面倒くさいから結ばない(=結べない)のだ。
かかとのサポートがあるサンダルでさえ、相当の忍耐力が無いと無理なのだ。
だから、紐の靴を買うのはやめた。
今はダイヤル式か、スリッポンタイプの運動靴にした。
では学業はどうだ?
英語が致命的に悪い。
それは興味が無いので全く勉強しようとしないからだが、ぼかすってどういうことか?
最初は全く置いて行かれない程度に流す勉強をすればよい!とか思っていた。
でも、それって穴ぼこを埋める行為そのものだ。つまりできない。
じゃあ、何もやらないままなのか?
それって先が詰んでいる。認めるわけにはいかない。そう思い8月は色々とやらせてみたが結果は同じ。
絶対にやらない。
そう、穴ぼこは埋まらない。
本当に悩んだ。
高校受験もできないじゃん。これじゃ。
でも、穴ぼこは埋まらないのだ。
今は短所に注力しても仕方がないのだ。
長所を伸ばそう。
あいつのナイフを研がせることに全てを集中させよう。
だって、本人が自分自身で行動を変えない限りは、穴ぼこは埋まらないのだ。
ここに親が介入しても無意味だ。
もう十分わかった。
本人もできないことをわかっていて、そのできないことを「なぜできない!?」と問われることに歯ぎしりをするほど、苦しがっているのだ。
これ以上、ここに時間をかけても全く意味が無い。
俺は二度と、穴ぼこ埋めについては考えない。
あいつ自身が「長所を生かすために、短所を克服する」行動を起こすまで耐えて見守ろう。
これはADHDの子供を持つ親が通らなければならない道だと思うので書いておく。
ここまでの道のり
息子は2021年9月現在、中学一年生。
私は50代半ばのシングルファーザー。
子供が小1の時に離婚した。
それから歯を食いしばって、息子を育てた。
中学生まで育てれば何とかなる!って信じながら。
そしてその時は来る。
だが、中学生となった息子の様子を見ていたが、やはり何かがおかしい。
小学5年から始めた中学受験活動を通して得た、漫然とした不安が現実となったようだ。
どうやら、息子はADHDグレーだ。
色んなところに問題が出始めた一学期。
あんなにやる気満々だったハンドボール部も『ボールが怖い』と一学期終了直前に辞めると言い出した。
(正確には、うまくやれない自分をチームメイトが罵(ののし)ったことから、緊張でプレーが普通に出来なくなったようだ)
学校の担任との三者面談でも、注意欠陥であろうことは疑う余地はなくなっていた。
息子の個性が何となく理解できて来たつもりの夏休み突入。
それでもまだ訓練でその壁は乗り越えることができると甘く考えていた。
しかし、2学期突入すぐにADHDというものが「当たり前のことが当たり前にできない」脳機能の偏りであれることを思い知った。
そして、息子は2学期突入後一週間で「クラスのみんなとうまくいかない。シカトされる。学校に行きたくない」と言い出した。
色んなピンチが一度にやってくる。
「何でこんなことが当たり前のことができないんだ!」と何度、息子を罵ったことだろうか。
もう疲れた。
本当に疲れた。
いつもならば、月曜日の朝には「もう一度がんばろう!」と気力が戻ってくるのに、とうとう、気力を立て直すのにも2日間かかるようになってきた。
夜は眠れず、寝たと思っても2,3時間で目が覚めてしまうようになった。
俺自身がうつ病になるのも時間の問題だと思われた。
本当に抜け道は無いのか!?
自問自答を何千回繰り返したかわからない。
それでも答えは見つからない。
でも前に進まねばならない。
やるしかない。
これがラストチャンスだと自分自身の胸に刻み込んで始めよう。
『私は息子を建築士にする』
なぜ?って、息子が将来の夢は?と聞いたら、『建築家!』って答えたから。
そこに全てをかけよう。
LightでRight!
それが全てじゃ無いけれど、できれば身軽な方が良い。
だって、心も軽くなる。
きっと、それは多様性。
そして、それが可能性。